2007年10月21日

霊的な配電盤(村上春樹にご用心)

霊的な配電盤(村上春樹にご用心)p54から要約。わかりやすく「ささやかだけれど重要なこと」を書いている。オススメ。とういか表表紙から裏表紙に亘るまで珠玉の言葉や知恵にあふれる。赤ペンで印をつけはじめたら頁(ページ)が真っ赤になった。

(本文要約)
霊性=ネットワークにつながっている感覚
霊的な成長=時間的・空間的にネットワークにつながっている自分がいる。自分がいなくなるとそのつながりが途絶えてしまうかもしれない。だから生きている間にそのつながりが自分抜きでも機能するようにする(ことが成熟した大人の対応)。「わたしがいなくても大丈夫。だってもう「つないで」おいたから」そういってその場(この世)を去っていける「そんな人にわたしはなりたい」と内田センセイは仰る。「風の歌を聴け」「羊をめぐる冒険」「ダンス・ダンス・ダンス」に通底するテーマは、この「霊的な配電盤」を描くことにある。
社会学者は、コチラの世界の話ばかりする。霊能者はアチラの世界の話ばかりする。コチラとアチラの世界の関わりを描くことが文学や哲学に求められている。よい作品はすべからくコチラとアチラの関わりを扱っている。村上春樹はそのことを主題にしている数少ない作者のひとり。他の例として夏目漱石「我が輩は猫である」「こころ」がある。

(考察)
ネットワークの中で自分の果たすべき役割を意識すること。「文化的な雪かき」をおこなうひとになること。どれだけ所有するかに価値を置くのでなく過去から未来にわたって変わらないものに価値を置くこと。オイシイ料理とオイシイお酒と楽しい会話ができて、相手もそれを楽しんでいてくれたなら、こんなシアワセなことはない。(この項目続く)


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Posted by ivanisevic at 19:42│Comments(0)村上春樹関連
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