2007年10月26日

養老孟司の超刺激発言:禁煙は不要!?

養老孟司の超刺激発言:禁煙は不要!?東京大学名誉教授で解剖学者の養老孟司さんが、「たばこの害や副流煙の危険は証明されていない」「禁煙運動家はたばこを取り締まる権力欲に中毒している」などと月刊誌の対談で発言した。これに、日本禁煙学会が激怒。「たばこが害だという根拠が無い、という根拠を示せ」と2007年9月13日に公開質問状を出した(J-CAST)。

一読後、大論争が巻き起こると予想した通り。言葉狩り、クレーム社会の傾向が強くなっている昨今。逆の意味で勇気のあるお二人だと思った(笑)。たぶん養老孟司は医者の立場で発言はしていない。医師としての発言と執筆家・思想家?としての発言は明らかに成り立たないことの典型か。養老さん他にはたくさんいいことおっしゃっているのだけれど、こればっかりはなあ(苦笑)。
もともと養老孟司は知識を集めて理詰めで理論を構築しているようなひとではない。ひらめきというか手持ちの知識でどのような結論が得られるかということに興味があるかたであろう。
不確実さをもっているが確実だと推進しているひとびとの痛いところを(少しだけ)ついたのは確か。それで感情的になるのもよく分かる(笑)。

僕自身は煙草があらゆる意味で身体に悪影響を及ぼしているまず間違いないと思う。問題はそれがどの程度かということ。個々人で影響の度合いはかなり違うだろうということ(だけは予測される)。
悪影響を及ぼす個人を同定できないから、すべからく全人類がそれを防ぐべきかときかれると少し困る。
ただ、悪影響を受けるひとがいてそれが本人だけならいいが、他人に影響することはあってはならないだろう。煙草関連の疾患に対する医療費を全額自己負担にする覚悟と他人には決して影響のないようにするという覚悟でなら認めてもいい気はする。

どのような問いにしても是非を100%明らかにするのは難しい。
「高血圧は健康寿命を短かくする」:反論「血圧が高くても長生きしているひとがたくさんいる」「高希有圧を治療しても健康寿命が延びないひとがたくさんいる」
「煙草は健康寿命を短かくする」:反論「煙草を吸っていても長生きしているひとがたくさんいる」「煙草をすっていなくても肺癌になるひとがたくさんいる」
このような議論は多要因が関与する事象には必然的なものだ。もう少し定量的、計量的な議論をすべき。
「地震や津波に備えて堤防をたてる必要があるかどうか」という議論におきかえるとわかりやすいかもしれない。堤防をたてたら地震や津波が防がれるのではなく、地震や津波による被害を(少しは)おさえられるだろうということだ。ときには無効かもしれないがでも確かに被害を防ぐ場合があるということは確かだ。
賛成派は「こんなに有効な手段があるのにそれをやらないのは神経を疑う」。反対派「お金をこんなにかけても、その程度のもんだ」とでもいうだろう。


同じカテゴリー(社会現象)の記事
Posted by ivanisevic at 13:26│Comments(5)社会現象
この記事へのトラックバック
日本禁煙学会がタバコのパッケージ表示を変えるように要請!
愛煙家のつぶやき…【羊、吠える 〜本当にちょっとココだけの話〜】at 2007年11月05日 16:54
この記事へのコメント
私の大好きな父は、喫煙者で煙草を止めたいと禁煙にトライしますが やはりいまでも止められずいる喫煙者のひとりです。
私が結婚する男性は父に似た性格でも、容姿であっても、煙草を吸う人とは絶対に結婚しないと決めていました。なぜなら、やはり煙草の煙や臭いが気になり嫌だと思ったからです。
今でも煙草の煙はやはり どこで嗅いでも気分が悪くなります。
自分のお金で煙草を吸うのに文句は言えないのかもしれませんが、吸わない人や吸えない人(禁煙を頑張っている人など)への配慮やマナーには本当に気をつかってほしいと思います。
沖縄の低出産時の赤ちゃんが多いのには妊娠中の飲酒や煙草などの影響もあるといわれています。生まれる前や やっと生まれてきた赤ちゃんに悪い煙をかけられるのでしょうか…危機的の問題となった環境問題と同様で、煙草がよいか悪いかの議論よりも、生きることの基本に戻った考えでマナーを守ることが、私たち大人に義務と責任があると私は思います。
しかしながら、最近の煙草のポスターやパッケージって女性をターゲットにしたオシャレで綺麗な広告には動揺させられますよね。女性の喫煙者は増えるのだろうな…女性は吸わされている?のでは…
Posted by flower-shi at 2007年10月26日 19:01
長いコメントありがとうございます。ひとに迷惑をかけずに生きるって難しい。
家族や大切なひとに対しては、身体に悪いことはやめて欲しいと強くいってもよいと感じます。理屈じゃないですから。
あの手この手の誘惑。選択肢をもたない子供に害が及ぶのは何としても避けたいですよね・・・
Posted by ivanisevicivanisevic at 2007年10月27日 00:59
おもしろい親父やなぁ~ 東大名誉教授で、このイノベートな発言www
欧米諸国を発端とするタバコ狩りは、そのうちタバコを麻薬かそれに等しい有害物質においやりそうな勢いです。そのうち吸うこと自体が犯罪になるかもしれません。
しかし一方でタバコが形成してきた文化や、長い歴史に耐えて人間が愛してきた何かがあるのも事実ですね。養老さんの発言は、やや偏見の狭に偏りつつあるタバコの見方を皮肉りたかったのかもしれません。
ちなみに私は10年愛煙→禁煙2年目の人です。
Posted by thunderball-01 at 2007年10月27日 18:34
コメントありがとうございます。
養老さんはほんと変なおっさんですよね。Wikiで調べるとおもしろエピソードが。全共闘時代のトラウマがあり、全共闘闘志の予備校教師の著作の審査員からおりたらしい。でも偉いのは内容をけなすわけではなくただ審査員をおりただけ。意外に骨もあるようで。ほんとおもしろいことをやるひと。
Posted by ivanisevicivanisevic at 2007年10月27日 22:47
筑紫哲也と同様、養老は肺がんになる。東大教授といっても常識があるわけじゃない。特定分野の勉強ができただけで、えらそうに人の道を説くようじゃやはり幼稚な人間といわざるをえないな。筑紫の喫煙よりも山本モナの不倫のほうが無害で気持ちよさそうだ。たばこでもてなくなり性欲を抑えて不倫しないで社会的な責任を振りかざす筑紫はあまり感心しないな。
Posted by 栄光の禁煙者 at 2008年05月13日 02:12
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。