2007年10月28日

川辺のカフカ

川辺のカフカ


フランツ・カフカの父親に対するコンプレックスは相当に根強いものだったようだ。
カフカ賞を受賞した村上春樹はその受賞挨拶の中で「海辺のカフカ」をフランツ・カフカ作品へのオマージュとしている。
読みかけの小森 陽一:村上春樹論 『海辺のカフカ』を精読する (平凡社新書)では、海辺のカフカのプロットでは、エディプスコンプレックスが主要なテーマだとしている。Snobist club_第127回 『海辺のカフカ』(村上春樹)評
フランツ・カフカによる父親への手紙は実に多く、研究対象になるほど。成人した男性が父親に、精神的な葛藤や恋愛遍歴を、逐一報告することは一般的ではないだろう。
父親に対するコンプレックスと自らの出自(オーストリア=ハンガリー帝国の属国チェコのプラハに生まれたユダヤ人)に対する複雑な感情が、実験的かつオリジナリティー溢れる作品を生み出す原動力になった。ユダヤ人でありながら、ドイツ的な教育をうけたコンプレックスも拍車をかけている。
写真はフランツ・カフカ記念館の前。男性2体の木像に注目。男性自身から水が出ていて自動で腰の部分がふられる。「エディプスコンプレックス=男性性器へこだわり」のしゃれなんだろう。何故か多くの妙齢の女性が群がって写真を撮っていた(笑)。
村上春樹『海辺のカフカ』の書評:1
村上春樹『海辺のカフカ』の書評:2
フランツ・カフカと村上春樹〜プラハを訪ねて その1
フランツ・カフカと村上春樹〜プラハを訪ねて その2
タイトルは、カフカ記念館がブルタバ川川辺にあることにちなんで。


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Posted by ivanisevic at 05:43│Comments(0)村上春樹関連
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